Gen2GoをKintoneで使ってみよう
Gen2GoをKintoneで使ってみよう
Gen2GoのKintoneプラグインを公開しました。
このプラグインで何ができるかをご紹介します。
Kintoneアプリを作る
まず、ベースとなるKintoneアプリを作りましょう。ここでは「営業支援パック」を使います。このパックを使用すると、案件管理、活動履歴、顧客管理の3つのアプリが作成されます。
パックにはサンプルデータも入っているので、これをそのまま使用します。
案件管理アプリのデータを開くと、営業中の案件の情報がセットされており、顧客管理アプリの顧客データが参照されています。また、活動履歴アプリの複数の活動データが紐付けられています。
このデータをもとに、生成AIでスコアと営業活動のアドバイスを生成し、アプリ上に表示したいと思います。
すべての案件データや、紐付く活動履歴をすべて読み込むのは大変ですが、スコアがあればそれが高い順に営業活動をすれば良いですし、そのアドバイスもあれば活動の指針となりますね。
案件管理アプリに項目を追加する
案件管理アプリに生成AIが生成したスコアとアドバイスを格納する項目を作っておきます。
まず、数値項目をフォームに追加し、フィールド名を「AIスコア」、フィールドコードを「gen2go_score」とします。
次に、文字列(複数行)項目をフォームに追加し、フィールド名を「AIアドバイス」、フィールドコードを「gen2go_advice」とします。
ここで重要なのは、Gen2Goで生成させる項目はフィールドコードの先頭を「gen2go_」で始めることです。
このようなフォームになりましたので、保存しておきます。
また、一覧の項目も増やしておきましょう。案件一覧について、AIスコアを案件名の隣に配置すると、AIスコアの降順で並べ替えることができ、便利です。
保存した後、「アプリを更新」して反映しておきます。
Gen2Goでプロンプトを作る
Gen2Goでプロンプトを作成します。
システムプロンプトとして、下記のように設定しました。
あなたは営業コンサルタントです。
与えられた活動履歴から、営業活動のアドバイスとスコア算出を行ってください
- スコア算出は0~100%の評価を行い、数値のみを出力してください。
サンプルなので、非常に簡単です。ここに会社ごとに存在する営業ナレッジを組み込むと良いと思います。
また、発行されたプロンプト識別子を控えておきます。Kintone側で指定する必要があります。
出力制御も設定します。
「JSON形式で出力する」をONにして、下記の2つの出力パラメータを設定します。
キー「gen2go_advice」 説明「営業活動のアドバイス」
キー「gen2go_score」 説明「成約につながる可能性の評価スコア」
このキーの値を、Kintoneのフィールドコードに揃えます。
また、使ってみるタブの許可オリジンを設定します。KintoneアプリにGen2Goを組み込む際にはAPIキーは使用しません。(KintoneアプリをWebブラウザで表示した際に、ソースコードからAPIキーがバレるのを防ぐためです。)その代わりに、Kintoneのドメイン(会社ごとに異なります)を指定します。
そうすれば、APIキーがバレていないので外部から適当に呼び出されることを防げますし、他のKintoneアプリやWebサイトから呼び出されても生成結果を返さなくなります。
使ってみるタブから、Kintoneプラグイン(gen2go-kintone-plugin)をダウンロードできます。プラグインの使用は無料です(Gen2Goの使用料金がかかります)。
Kintoneプラグインの導入
「Kintoneシステム管理」>「プラグイン」からプラグインを読み込みます。
「読み込む」をクリックして、先ほどダウンロードしたプラグインのzipファイルを読み込みます。
次に、案件管理アプリの「アプリの設定」の「設定」>「プラグイン」を開きます。
「追加する」をクリックすると、「Gen2Go Kintone プラグイン」がリストに表示されているので、有効にします。
プラグインの設定が必要なので、設定ボタン(歯車)をクリックします。
ここで設定するのは、プロンプト識別子のみです。先ほどGen2Goコンソールで作成したプロンプトのプロンプト識別子をセットします。
設定を保存した後、「アプリの更新」をおこなってください。
生成を行う
案件管理アプリの一覧画面が表示されると、「Gen2Goで生成」ボタンが表示されているでしょう。このボタンは後で説明します。
まずは、案件データを表示してみます。
この時点では、まだAIスコアやAIアドバイスは空のままでです。
編集画面にして、適当に内容を編集し、保存します。
数秒待つと、案件アプリのデータとそれに紐付くアプリデータと、Gen2Goでのプロンプトの設定内容に基づいて文章生成が行われ、AIスコアとAIアドバイスが表示されます。
このように、一旦、Gen2Goの設定をした後は、Kintoneアプリを使うだけで生成が行われます。
一覧画面での生成
一覧画面に戻って、「Gen2Goで生成」ボタンをクリックすると、一覧画面で表示されているデータのうち、AIスコアがセットされていないもの(gen2go_*の項目が空)が生成の対象になります。処理対象の件数がダイアログに表示されるので、「対象のみ生成」ボタンをクリックすると、生成が行われます。
また、すべてのデータを対象にすることもできます。「対象外もすべて生成」ボタンをクリックすると、既に生成が行われているデータについても生成が行われ、上書き保存されます。
Gen2GoとKintoneを組み合わせることで、業務システムの中で簡単に生成AIのパワーを活用できます。今回は営業支援の中での活用でしたが、他にも様々な活用法が考えられます。ぜひ、使ってみてください。